第弐拾壱話・第21話 ネルフ、誕生

 冬月副司令が、ジオフロント内で何者かに拉致された。加持リョウジの仕業だと見たネルフ諜報部は、加持と関係の深いミサトを軟禁。その頃冬月は、ゼーレのモノリスの前で尋問を受けていた。

 1999年、京都大学理学部の教授だった冬月は、興味深いレポートを書いた学生、碇ユイと知り合う。同時に喧嘩沙汰を起こした六分儀ゲンドウの身元引受人になったことでゲンドウとも知り合うが、ゲンドウがユイと付き合っていることを聞いた冬月は、驚きを隠せなかった。セカンドインパクト後の2002年、大学を辞め、愛知県のバラック船で医者となっていた冬月は、死の海と化した南極の調査に誘われ、調査船で六分儀ゲンドウと再会する。ゲンドウはユイと結婚し、名を碇ゲンドウと変えていた。またこの調査船には、葛城調査隊の唯一の生き残り、幼い頃のミサトも隔離部屋に保護されていた。

 その後、冬月は独自にゲンドウ周辺を調査、キール・ローレンツなる人物と、その背後に控えているゼーレという謎の組織が、セカンドインパクトにかかわっていたことを突き止める。ゲンドウに真意を糺す冬月は、ジオフロントに連れて行かれる。「あの悲劇をもう一度起こすつもりかね、君たちは」と冬月は非難するが、赤木ナオコもプロジェクトにかかわっていることを知り、アダムからコピーしたエヴァを目撃する。神のプロトタイプを見た冬月は、ゲンドウから「人類の新たな歴史を作らないか?」とゲヒルンに誘われる。

 一方、セカンドインパクトの遭遇から2年間失語症に陥っていたミサトだったが、大学生になると良く喋るようになり、リツコや加持とも知り合う。同じ頃、ゲヒルンでは初のエヴァ起動実験が行われ、ユイがエヴァに乗り込むが、実験中に事故が起こり消失。この頃より、碇ゲンドウはアダム計画と人類補完計画の推奨に傾倒しだすようになる。

 2010年にMAGIシステムが完成。ところがシステム開発の功労者赤木ナオコは謎の自殺を遂げる。碇の知人の子だという綾波レイに暴言を吐かれ、ユイとだぶらせたナオコは、レイを絞め殺していた。ゲヒルンは即日解体され、組織はそのままネルフへと移行したのだった。

 ゼーレに監禁されていた冬月は加持に開放される。冬月が開放されたことで、ミサトも同じく軟禁を解かれる。マンションに帰ると、留寸電が入っていることに気づいたミサトは、加持の最後のメッセージを聞いて泣き崩れる。既に加持は何者かの手により、射殺されていた。


ビデオフォーマット版で追加された冬月のシーン

 愛知県のバラック船の中で冬月先生が医者になってるシーンがあります。このシーンは今まで見たことがなかったのでビックリしました。もぐりの医者で住民を助けているのですが、南極調査に赴くよう誘われます。爆心地の資料のシーンも追加。記者会見の写真の中央に移っているのがキール議長とされています。

 また、碇ユイと冬月の再開シーン、「あの悲劇をもう一度起こすつもりかね、君たちは」と非難するシーンなども新たに追加されています。12年目にして新しい未公開シーンを見たので痺れました。限定版のDVD−BOX買ったとき全部見てなかったって事だろうなぁ。

 湖を前にしたユイとの会話のシーンで、暫くためて、躊躇いがちいユイを見る冬月のユイに対する想いがもどかしいですねぇ。40代後半と20代の恋。この回は他に赤木ナオコとゲンドウとの関係も描かれていて、ちょっとオトナです。

 フィルムブックの表紙のユイ、ゲンドウ、冬月の3人の写真のシーンも追加。これはいつもはお堅い感じのする冬月が、かなりリラックスした戯けた調子で碇ユイの座っているパイプ椅子に寄りかかるようにして立っているイラストですが、意外な冬月の一面です。冬月コウゾウのモデルは声優を担当している清川元夢です。でもビバリーヒルズ青春白書に出てたディラン・マッケイやジェームズ・ディーンにも似てなくもありません。若い頃の冬月はディランやジェームズ・ディーンにソックリで、結構モテてたかもしれないと妄想してみるのですが、大学教授との居酒屋での会話で、「君は人との付き合い方を知らん」と言われてるので、案外シンジ君と似たような性格で、孤独を好み、女に対しては内気な方だったのでしょうか。

 今回はリツコの母の赤木ナオコも初登場します。並んで会話する場面があるのですが、リツコの太い眉毛は母親の遺伝ではないみたいです。

 加持と共に冬月が拉致現場から出てくるシーンも追加。アダムを横流しした事を詫びる意味でも開放を手助け。

 ラストで、加持が死んだことを知ったミサトが号泣します。大学時代からの恋人が死んでしまったことで、本編で初めてミサトが感情を爆発させて泣くシーン。始めはつっけんどんだったけれど、よりが戻った後に死なれてしまって、やっぱり加持への思いが強かったのかなぁ。


加持リョウジを殺した犯人

 加持を殺した犯人ですが、最初はミサトが解放される際の諜報部との会話で、加持について尋ねたときに「存じません」という諜報部のセリフが、何か含みを持たせている響きがあったので、諜報部が殺したのかなと漠然と思っていたのですが、加持が射殺された次のシーンに、いきなりミサトが脱力気味でマンションに戻ってくるシーンがあるので、まさかミサト自身が手を下したのかと疑ってました。後にmixiで、ミサト犯人説について聞かれたときに、「そういう見方も出来ますね」とスタッフの人が言ったらしいので、ああミサトじゃないのかと。

 またややっこしいシーンの持ってきかたしてるんだよなぁ。ああいうシーンの作りだったらミサトが殺したみたいに見えるじゃないですか。当初見たときは、ただ加持がこの回で殺されるということにドラマの重点を置いていて、誰が犯人かも、犯人の意図もどうでもイイという感じに受け取ってましたので、それ以上は深く詮索することもなく10年以上が過ぎていったわけですが、最近販売されたエヴァのゲームで、犯人はネルフ諜報部ということになっているらしいです。何とも謎じみたシーンでしたが、単純な種明かしでした。

 貞本義行の漫画版では、シルエットの髪や襟がリツコっぽいんですよね。愛するゲンドウの命令に忠実に従ったのでしょうか。

 最後にシンジ君のモノローグが入るところも、今までのストーリーの雰囲気と違っていて、イイですね。随所随所でいろんなドラマ手法のいいとこ取りしてる感じで、興奮冷めやらないといった感じです。この回からラストにかけて、ストーリーは一気にクライマックスに突入します。

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NEON GENESIS EVANGELION vol.06
出演:緒方恵美、三石琴乃、林原めぐみ、宮村優子
監督:庵野秀明
形式:Color, Dolby
言語:日本語
リージョンコード:リージョン2
販売元:キングレコード
発売日:2003/9/26
時間:95 分

セカンドインパクトの謎を追い、東奔西走する冬月コウゾウ

今回のストーリーは冬月コウゾウの独断場。セカンドインパクトの謎を追い、若い頃の(といっても40代後半の)冬月が東奔西走する。碇ユイとの微妙な関係や、彼女に対する淡い恋心などもそれとなく示唆されている。ビデオフォーマット版では、様々なカットが追加され、冬月の魅力がより一層膨らんでいる。

MAGIシステム開発の功労者である赤木ナオコ博士の娘、赤木リツコ博士

英語サブタイトルの oral stage は、精神分析用語で口唇期の意味。シナリオでは、赤木ナオコが自殺後に、レイは息を吹き返して何事もなかったかのように歩いていくという設定になっていたが、カットされた。後の「涙」で、「私は多分3人目」というレイのセリフがあるが、一人目のレイはこの時赤木ナオコに絞め殺された5歳の時のレイということになる。

また、2002年の日本は、セカンドインパクトの崩壊から未だ立ち直れず、バラックの家でユイが赤ん坊のシンジをあやしているシーンが予定されていた。なお、加持を殺した犯人は、2007年に発売されたゲーム「シークレット・オブ・エヴァンゲリオン」で明らかにされている。

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『エヴァとの思い出』

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