最終話 世界の中心でアイを叫んだけもの

 時に西暦2016年、人々の心の補完は続いていた。人間の心は全てどこかで欠けていて、それが不安を生じさせる。その不安をお互い補うための人類補完計画。この回では、碇シンジのケースが取り上げられる。

 みんなに嫌われている。自分自身が自分を嫌いだから、みんなもそう思っている。エヴァに乗ればみんなが褒めてくれるから、エヴァに乗っているというシンジ。しかしエヴァに依存する事で、エヴァがなくなれば本当の自分がなくなってしまう。

 僕には何もないと煩悶する碇シンジ。僕は僕が嫌いだ、価値がないと自分自身を責める。「何を願うの?」と問いかけるミサト。極度の不安と自己否定に苛まれていくシンジに、あなたの捉え方次第で、世界はどのようにでも変わると、ミサトはシンジを優しく促す。

 アスカの声で目が覚めると、目の前にアスカがいた。ユイやゲンドウは食卓で和やかに会話をしている。アスカと一緒に学校に登校中、レイと鉢合わせる。学校に着くと、担任のミサト先生が、転校生の綾波レイを紹介する。パンツ覗き魔!とシンジを非難するレイに、アスカはシンジを庇ったことで、二人は出来てんの?!とレイにからかわれる。

 もう一つの可能性を見せられたシンジ。真実なんてものは人の数だけ存在する。他人から与えられた真実なんてものは狭量でちっぽけなものだと、気づかされるシンジ。

 「そうだ!僕はここにいていいんだ!」

 閉じられた世界が一気に開け、青空と仲間達の拍手に包まれる。レイ、アスカ、ミサト、リツコ、トウジ、ケンスケ、ヒカリ、ペンペン、日向、青葉、伊吹、加持、冬月。シンジは口々におめでとうと祝福される。最後に父ゲンドウと母ユイから祝福を受けて、物語は終わる。


世界中で賛否両論を呼んだラストシーン

 賛否両論を呼んだラストシーンです。弐拾伍話の終わる世界と同様、シンジの内面世界の煩悶と皆からの問いかけで構成されています。第弐拾五話では、あなた自身が望んだ、どうしようもない世界なのよ、と突き離されるシンジですが、最終話では、世界との距離の取り方を模索しながら、他者とのコミュニケーションのあり方や真実の定義を再構築していきます。

 最後は自己本位になるわけですが、うーん、僕自身はこの会話を聞いていて、何か自分の中に知らず知らずのうちに築き上げていた世界と自分との間の壁を1枚だけですが、ぶち壊したような感じがしました。安直に言い換えれば、他人の目なんか気にするな、他人がどうこう言おうと気にするな、所詮それは他人の中の都合のいい自分の姿でしかない。自分自信を肯定して、他人を傷つけないように他人との距離をある程度保ちながら自分自身の思うように生きろってことですよね。

 会話自体があっちにぶれたりこっちにぶれたりで分かりにくかったんですが、なかなか綺麗に収まったかなーというのが率直な感想です。ラストの種明かしはなかったけどこれはこれでいいかみたいな。最後のキャラクター全員の歓声は、ナディアの企画CD、BYEBYEブルーウォーターの時と同じで、キャラクターみんなの歓声でハッピーエンドで終わらすという手法できましたね。ちょっと短かったですが、ここにナディアのあのイイ感じの終わり方を持ってきたか〜〜〜〜と感激してしまいました。

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NEON GENESIS EVANGELION vol.08
出演:緒方恵美、三石琴乃、林原めぐみ、宮村優子
監督:庵野秀明
形式:Color, Dolby
言語:日本語
リージョンコード:リージョン2
販売元:キングレコード
発売日:2003/10/22
時間:48 分

みんなから祝福され、ありがとうと笑顔で言うシンジ

メインタイトルの「世界の中心でアイを叫んだけもの」はハーラン・エリスンのSF小説、世界の中心で愛を叫んだけものから拝借。新世紀エヴァンゲリオンの主人公碇シンジは「僕はココにいてもいいんだ!」と叫び、みんなから祝福されて物語は終わる。

最後は庵野秀明監督自らが実写で出演して、視聴者にお礼を言う計画もあったが破棄された。実写で監督自身が出てくるといえば、エヴァの前作に当たるふしぎの海のナディアのLD版・DVD版に収録されているオマケ劇場でも、数カットの写真で庵野監督が出演している。

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『エヴァとの思い出』

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