第弐話 見知らぬ、天井

 迎撃要塞都市へと出撃したエヴァ初号機だったが、操縦に不慣れなシンジは、使徒と対面しパニック状態に陥る。気を失った後、シンジは病院のベッドに横たわっている自分に気づく。

 同じ頃、キール・ローレンツを議長とする人類補完委員会は、15年振りの使徒襲来の対応を碇司令と共に協議していた。「後戻りはできんぞ」キール議長は、碇に念を押す。

 シンジの意識が戻ったことを戦闘処理現場で知ったミサトは、シンジを病院まで迎えにいく。帰る途中、エレベーターで父ゲンドウと鉢合わせになるが、二人は言葉を交わさなかった。一人で暮らすことを知ったミサトは、自分のマンションにシンジを引き取ることに決める。

 落ち込んでいるシンジを慰めようと、ミサトは第三新東京市のビル群が見える丘へとシンジを連れて行き、夕暮れの中で警戒態勢が解かれ、ビルが生えていく光景を見せる。

 「あなたが守った街よ」

 驚嘆しているシンジに、ミサトは優しく声を掛けるのだった。

☆     ☆     ☆

 ミサトと一緒に同居生活をすることになったシンジだったが、部屋は酷い散らかりようで、冷蔵庫には氷とつまみとビールしかなかった。オマケに新種の温泉ペンギンまで登場し、すっかりマイペースなミサトに引きずられていく。

 天井をぼんやりと見つめていく内に、使徒との戦闘を思い出す。エヴァ初号機が暴走し、ATフィールドを容易く破って使徒を攻撃したところで、使徒がエヴァに絡みつき自爆したのだった。顔面装甲が崩れ落ち、エヴァと目が合ったシンジは、絶叫して気を失った。

 使徒との戦闘を思い出して寝付けないシンジ。風呂上がりのミサトが部屋の扉を開け、人に褒められる立派なことをしたと、再びシンジを慰める。


年上お姉さんマニアには溜まらない設定の第二話です

 「子供に手ぇ出しゃしないわよぉ〜」とリツコに断りを入れるミサトですが、世の中学生男子が綺麗なお姉さんと一緒に同居するという設定だけで、年上お姉さん好きの男子は激しく萌えてしまうことでしょう。

 「風呂は命の洗濯よ!」など、後世にまで語り継がれるミサトの名言が幾つか飛び出します。「やっぱクーラーは人類の至宝。まさに科学の勝利ね〜」のセリフで、「ふしぎの海のナディア」のジャンのセリフを思い出した人は少なくないはずです。科学者少年ジャンが、ノーチラス号の科学設備に触れる毎に「まさに科学の勝利ですね」を連発しますが、次回作であるエヴァンゲリオンでも、この名台詞は見事に受け継がれています。アニメファンの心を擽るセリフです。


迫力満点の戦闘シーン

 本編では、エヴァと使徒との初の肉弾戦が描かれます。普通のロボットアニメだと、正座して石で叩くなんて原始人のようなシーンはないので、そういうところも斬新で、エヴァの動きが血が通っていて人間的で、普段ロボットアニメを見ない人や毛嫌いしている人でも、抵抗感なく受け入れられたのかなぁとも思います。特にこの回のエヴァと使徒との戦闘は名シーンです。

 作ったスタッフ本人が、一番凄いのは1話と2話っていってたのをネットに転載されていた情報誌で聞きかじって、正直1話と2話って、一番始めに見る話のせいか、記憶にしっかりこびりついてて見返してみたときには退屈に感じるんじゃないかなーという危惧もあったのですが、なかなかどうして、凄く興奮しましたよ。

 あと、温泉ペンギンのペンペンが飛び出してきて、風呂上がりのシンジが裸のままミサトさんに「あれ!あれ!」と指さすシーン、ビールの缶で巧いこと股間が隠れてますね。ミサトさんがビールの缶を取り上げた時は「エエーーー?!まさか〜〜〜!」と手で目を覆い隠して指だけこっそり広げたくなるシーンですが、きちんと爪楊枝の缶が(笑)。うまいオチです。この名(迷?)シーンのパロディをこないだエヴァの雑誌で読んだのですが、爪楊枝の入れ物すらも取ろうとするミサトさんを、シンジがフルフルと首を横に振って押さえ込もうとします。そこへペンペンが登場して、爪楊枝入れよりも小さな模型のボトルを置くという余計な心遣いにシンジ君ブチ切れ(笑)。サービスサービスって誰に対するサービスなんでしょうか。

 本編ですが、おおまかに、前半パートが陰で、後半パートが陽というような構成ですが、最後には使徒との戦闘を思い出して、陽気なムードが消え失せます。ミサトもミサトで、シンジを道具として見ていたことをひとり呟きます。

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出演:緒方恵美、三石琴乃、林原めぐみ、宮村優子
監督:庵野秀明
形式:Color, Dolby
言語:日本語
リージョンコード:リージョン2
販売元:キングレコード
発売日:2003/7/24
時間:100 分

風呂は心の洗濯よ!

印象的なのは、ミサトが自分のマンションにシンジを招き入れるシーン。靴と敷居だけがクローズアップされ、シンジの足が躊躇いがちに敷居を跨ぐシーンは、今までひとりだったシンジが、戸惑いながらも人とのコミュニケーションの中に入っていこうとしている事を暗示しているようでもある。「た、ただいま」と不器用に言うシンジに、「お帰りなさい」とミサトはにこやかに答える。後に自分の復讐の為にシンジを利用していると自問するミサトだが、この頃はまだ優しいお姉さんを演じきっている。

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『エヴァとの思い出』

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