第九話 瞬間、心、重ねて

 第壱中学校に通い出したアスカは、ファースト・チルドレンの綾波レイと邂逅を果たすが、レイは取り合わない。「エヴァのパイロットって変わり者が選ばれとるんちゃうか?」と端から二人の様子を窺っていたトウジは愚痴る。

 碇司令の留守中に再び使徒が襲来。冬月副司令は第一種戦闘配置を敷く。エヴァは初号機、弐号機共に出撃。一人でも倒せると余裕を見せるアスカだったが、使徒に攻撃を加えると二匹に分裂し、エヴァは二機とも投げ飛ばされたのだった。

 リツコに「ブザマね」と皮肉られるふたり。このままではミサトのクビが危ない。リツコはミサト救出のための作戦ROMを渡すが、その救出案を組んだのは他ならぬ加持だった。使徒を倒すには、分離中の核に対する二点同時の過重攻撃しかないと悟ったミサトは、シンジとアスカに、曲に合わせた攻撃パターンを覚え込んで貰うため、これから二人で共に生活するよう命令する。

 ユニゾンを完成させるために、共同生活をするシンジとアスカだったが、トウジやケンスケ、ヒカリ達が集まる中で、ユニゾンの練習を披露したものの、うまく行かず、変わりにシンジと始めたレイがピッタリと合ってしまう。「レイと組んだ方がよさそうね」と言うミサト。アスカはプライドを傷つけられ、部屋を飛び出してしまった。ヒカリに諭されたシンジはアスカを追いかける。コンビニにいたアスカは、ミサトやレイを見返してやることをシンジと共に誓う。

 共同生活を経て、ようやくユニゾンが決まってきたアスカとシンジ。そんなある夜、ミサトの留守中に二人だけで寝ることになるが、アスカは襖を「ジェリコの壁」と言って、ミサトの部屋で寝ることにする。ところがトイレに立った後に間違えて、シンジのいる部屋で寝てしまう。焦るシンジは、アスカのはだけた胸に戸惑いを覚え、キスしようとするが、アスカの口から「ママ・・・、ママ・・・」と言葉が漏れる。シンジは、自分だって子供じゃないか、と毒づいて背を向ける。その頃ミサトは、加持にまだ未練があるのではないかとリツコにからかわれていた。

 翌日、強羅防衛線を突破した使徒に対して、シンジとアスカの乗った初号機と弐号機は、使徒に攻撃を開始。ユニゾンの成果を発揮し、見事に使徒を倒したのだった。

 ところが使徒殲滅後、弐号機と折り重なるようにぶつかったことにアスカが怒り、シンジと口論を始めてしまう。その様子がモニターで関係者全員に流され笑い声が起きる。ブザマね、と呟くリツコ。二人のケンカを見て、いつになく呆れる冬月副司令だった。


なんてインチキ!!

 第6話まではかなりシリアスな路線でストーリーが進んできましたが、アスカが登場した回から、コミカル路線に変更していきます。使徒との戦闘も、遊びやゲームのようで、見ていて純粋に楽しいです。予告で流れるBGMを背景に、シンジとアスカの共同生活を描いた目まぐるしいカットが連続するシーンが秀逸です。

 冬月副司令の「総員!第一種戦闘配置!!」の掛け声が勇ましいですね。その直後に勇壮果敢な音楽が流れて、スタイリッシュなタイトルバックの画面が現れるので、痺れまくりデス。

 がおおぉおーーって感じで画面左からやる気のなさそうな使徒が現れた後は、無様なことになります。ちなみに当初の使徒との戦闘シーンは、シナリオ段階ではかなり詳しく描かれていたのですが、本編ではバッサリカットして、代わりにモニターでの説明に切り替わっています。しかしアスカの胸といい、ミサトと加持のエレベーターでのキスシーンといい、スカートの丈といい、エヴァって結構オトナな要素入ってるなーと思わせる回です。

 最後に使徒を倒すシーンのカットの連続は、久しぶりに見返しましたが、震えました(特に冬月副司令の笑顔がw)。今回のクラシック風音楽は音楽担当の鷺巣詩郎の作曲ですが、後に本物のクラシック音楽が使われることになります。今回のシーンの出来があまりにも良かったから、今度は本物のクラシック使ってみようって事になったのかなぁ。

 ユニゾンの決まり具合もいいのですが、おそらくこの回で何気に目立っているのは、冬月副司令です。「ネルフ、誕生」の回でも冬月が大活躍を見せますが、この回では、普段真面目な冬月の振り回されっぷりな役柄を垣間見ることが出来ます。

 特に最後のシンジとアスカの言い争いをボーゼンと見ている冬月の唖然とした後ろ姿と、その後に続く横顔カットでガックリ来ている冬月の「恥を掻かせおって」がもうツボハマリです。特に冬月副司令には、ナディアで魅力的なガーゴイルの役のイメージと重なるところがあったので、その落差もナディア以来の清川元夢ファンには嬉しい限り。

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時間:100 分

使徒との戦闘に勝利し、意気揚々のアスカ

今回使徒との戦闘に用いられたクラシック風の曲は鷺巣詩郎の作曲だが、「せめて、人間らしく」「最後のシ者」では本物のクラシック音楽が使われることになる。更に劇場版予告でもクラシックが用いられた。アニメとクラシックの融合は、見事な効果を発揮したが、その先駈けが、第七話の「瞬間、心、重ねて」の名シーンだ。

また今回は、本筋の他に、傍流として シンジとアスカの思春期らしい男女の触れあいが描かれている。随所に挟まれる登場人物達の等身大の日常生活もまた、エヴァを魅力的な作品にしている要因の一つだ。

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『エヴァとの思い出』

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