国連軍の老朽空母オーバー・ザ・レインボーは、ドイツのネルフ第3支部より寄託されたエヴァンゲリオン弐号機の輸送任務に就いていた。弐号機受取の為にヘリで空母に降り立ったミサト達は、セカンド・チルドレンの惣流.アスカ.ラングレーと再会する。ところが、アスカの付き添いとして、かつての恋人、加持リョウジも同乗していた事に、ミサトは激しく動揺したのだった。
勝ち気でプライドの高いアスカは、シンジが初のエヴァ搭乗でシンクロ率40を超えたことを加持から聞くと、嫉妬に駆られ、弐号機格納庫にシンジを連れて行く。赤い機体の前でプロトタイプとテストタイプの違いを力説するアスカだったが、その最中に使徒が現れる。
図らずも弐号機の実力を示すことになったアスカ。操縦の腕を見せつけるため、シンジも一緒に搭乗することになり、軍艦八艘飛びを見せるなどして、勇壮果敢な姿を披露する。最後には国連軍の協力も得て使徒を撃破、エヴァ弐号機は颯爽とした初陣を飾ったのだった。
一方でネルフ執務室へと赴いた加持は、硬化ベークライトで固められた胎児のサンプルを碇司令に渡す。第1使徒、最初の人間アダムだった。
お待ちかねのアスカ登場です。「チャ〜〜〜〜〜ンス」というセリフが浮かんだときに、庵野監督のアスカに対するイメージが固まったそう。
ナディアの時もそうでしたが、第1話から第6話までは、ストーリーの沿革を形作るように真面目なシーンが続き、それ以後は様々な仲間達が交わってきて、学園物のようにギャグを交えつつ、時折シリアスなスパイスを盛り込むというストーリー展開に傾いていきます。エヴァではアスカが登場する回から、これまでのシリアスな空気を放棄して、一気にギャグ路線へと突き進んでいきます。
また、前話の時田四郎のエピソードもそうですが、最初は組織同士で啀み合っていながらも、結局最後には協力態勢を敷いて勝利に導くという図式になっていますが、毎度毎度ジ〜ンと来てしまいます。
この回も絵がしっかりしていて綺麗です。アスカが登場する回から、ストーリーもかなり面白おかしく展開していきますね。戦艦の砲撃シーンが迫力あります。
海を疾駆する使徒は、ナディアのガーフィッシュを彷彿とさせます。特に戦艦と謎の潜行物との戦いは、エイブラハム・リンカーン号のシーンと、陣立てからキャラクターの配置までソックリです。アスカとシンジが欄干に掴まって、使徒を観察しているシーンがありますが、やっぱりナディアとジャンを重ね合わせて見てしまいました。山寺宏一演じる加持リョウジも、前作のナディアで同じ山寺宏一が演じたエアトンとだぶって見えたり。シンジもギャグテイストたっぷりのセリフで、冒頭から終わりまで楽しませてくれる回です。ふたりで念じて使徒の口を開かせるときに、アスカが「変なこと考えないでよ!」って言ってるんだけど、変な事って何なんだろうなぁ。シンジも「変な事って?」って聞き返してます。未だに謎の部分です。
使徒との戦闘のクライマックスでの、ミサトの「撃てーい!」のシーンは、顔の角度といい口の開け方といい、ナディアのNーノーチラス号で、一点突破を目指してバリアを破壊したネモ船長が、レッドノアに砲撃を命じるときの顔と同じですかね。最後のFly me to the moonは、いつもは歌っている歌手やバージョンが毎回異なるのですが、今回は画面の色が変わり、半透明のピンクに月が浮かんでいます。
NEON GENESIS EVANGELION vol.02
出演:緒方恵美、三石琴乃、林原めぐみ、宮村優子
監督:庵野秀明
形式:Color, Dolby
言語:日本語
リージョンコード:リージョン2
販売元:キングレコード
発売日:2003/7/24
時間:100 分