第拾六話 死に至る病、そして

葛城ミサトと赤木リツコの対立

 珍しくシンジ君が自信満々なんですが、それもつかの間、一気に恐怖に取り憑かれます。意地の悪い演出だなぁ。エヴァ救出作戦でのミサトとリツコの態度が対照的ですね。ミサトはあくまで人間的で、シンジのことを心配しますが、リツコは科学者にありがちな冷徹な感情の持ち主で、パイロットはどうなってもいいからエヴァの保護を最優先させます。

 死に至る病は、19世紀デンマークの哲学者キェルケゴールの著作で、絶望を意味しますが、シンジ君も絶望的な状況に追い込まれます。助け出されたときのシンジに対するミサトの目に涙を浮かべた表情が、ホント心配してくれてたんだって感じでイイですね。僕もああいうお姉さんに保護されてみたいなぁ。これだけシンジ君のことを心配して泣き崩れて感情を発露させてシンジを抱きしめたミサトさんを見たのは初めてだったので、ウルウル来ちゃいました。それ以上にミサトさんに抱きしめられてるシンジ君が羨ましいです(笑)

 この回からミサトとリツコの対立が色濃くなってきます。第2回でも、「心が、でしょ?」と理系的な物の言い方をするリツコに対して、ミサトが突っ込みを入れるシーンがあったり、ちょこちょこ反発するときもありましたが、本格的に対立色を出してくるのは、この回からです。

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時間:110 分

死に至る病 キェルケゴール著

「死に至る病」は19世紀デンマークの哲学者キェルケゴールの著作。20世紀に主流になる実存主義哲学の先駆者とされる。自分自身の絶望を徹底的に分析・解体して、そこから希望を見出す事を説いている。キェルケゴール自身の体験を元に色濃く綴られている感があり、絶望に至るケースとして、女に拒絶される男を取り上げている。

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