第拾六話 死に至る病、そして

 シンクロテストでアスカを抜いたことで、シンジに自信がつき始める。一方アスカは、シンジにシンクロ率を抜かれたことや、加持がミサトと寄りを戻したこと等が重なり、感情的になっていた。そんな折り、第3新東京市上空に、球体の使徒が現れる。「先鋒はシンジがイイと思いマース」と挑発するアスカに、余裕綽々で、「戦いは男の仕事!」と親指を立ててガッツポーズを決めるシンジ。増長するシンジに不安を抱いたミサトだったが、その予感は的中し、シンジの操縦している初号機は使徒の影に飲み込まれる。

 エヴァを闇雲に動かさなければ、生命維持装置で16時間は生きていられると説明するリツコ。シンジについて嫌みを言うアスカだったが、レイがいつになくアスカに静かな怒りを向ける。

 その頃、ディラックの海に取り込まれたシンジは、極限状態に置かれ、恐怖に苛まれていた。初号機パイロットのサルベージ計画が立てられる中、シンジはもう1人の自分と言葉を交わす幻影を見る。アスカの中の碇シンジ、ミサトの中の碇シンジ、綾波レイの中の碇シンジ、それぞれの碇シンジが存在し、他人から嫌われることを怖れていることを自覚する。好きなことを数珠のようにつなぎ合わせて生きていくことは出来ないと悟るシンジ。生命維持装置が切れたとき、シンジは母の幻影を見る。

 ディラックの海に対するN2爆雷投下を予定していたネルフだったが、直前になって球体の使徒が引き裂かれ、初号機が現れる。「私、あんなのに乗ってるの?」と唖然とするアスカ、自分たちがコピーしたモノに戦慄するリツコ、ネルフの計画を訝しむミサト。救い出されたシンジのエントリープラグに、ミサトは涙ながらにかけつける。

 洗浄中の初号機の前に佇むゲンドウとリツコ。今日ほどエヴァを怖いと思ったことはないとリツコは心境を打ち明ける。もしエヴァの秘密を知ったら、シンジやレイは私たちを許さないだろうと。


葛城ミサトと赤木リツコの対立

 珍しくシンジ君が自信満々なんですが、それもつかの間、一気に恐怖に取り憑かれます。意地の悪い演出だなぁ。エヴァ救出作戦でのミサトとリツコの態度が対照的ですね。ミサトはあくまで人間的で、シンジのことを心配しますが、リツコは科学者にありがちな冷徹な感情の持ち主で、パイロットはどうなってもいいからエヴァの保護を最優先させます。

 死に至る病は、19世紀デンマークの哲学者キェルケゴールの著作で、絶望を意味しますが、シンジ君も絶望的な状況に追い込まれます。助け出されたときのシンジに対するミサトの目に涙を浮かべた表情が、ホント心配してくれてたんだって感じでイイですね。僕もああいうお姉さんに保護されてみたいなぁ。これだけシンジ君のことを心配して泣き崩れて感情を発露させてシンジを抱きしめたミサトさんを見たのは初めてだったので、ウルウル来ちゃいました。それ以上にミサトさんに抱きしめられてるシンジ君が羨ましいです(笑)

 この回からミサトとリツコの対立が色濃くなってきます。第2回でも、「心が、でしょ?」と理系的な物の言い方をするリツコに対して、ミサトが突っ込みを入れるシーンがあったり、ちょこちょこ反発するときもありましたが、本格的に対立色を出してくるのは、この回からです。

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販売元:キングレコード
発売日:2003/8/27
時間:110 分

死に至る病 キェルケゴール著

「死に至る病」は19世紀デンマークの哲学者キェルケゴールの著作。20世紀に主流になる実存主義哲学の先駆者とされる。自分自身の絶望を徹底的に分析・解体して、そこから希望を見出す事を説いている。キェルケゴール自身の体験を元に色濃く綴られている感があり、絶望に至るケースとして、女に拒絶される男を取り上げている。

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『エヴァとの思い出』

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