劇場版第25話 Air

 最後の使徒を倒した後も、ネルフ本部の第一種警戒態勢は解かれないままだった。そこへ第2東京より、A-801(特務機関ネルフの特例による法的保護の破棄及び指揮権の日本国政府への委譲)が発令される。通告と同時に、アメリカ、ドイツ、中国のMAGIから、ネルフ本部のMAGIへのハッキングも開始される。監禁状態の赤木リツコ博士が再び呼び出され、ハッキングを阻止するが、リツコはMAGIに或る仕掛けを施す。

 ゼーレは次の手を打つ。世界屈指の戦力を誇る戦略自衛隊によるネルフ本部の強行占拠だった。抵抗も虚しくネルフ本部が次々と占拠されていく。その頃、碇シンジは逃げる気力も失せ、階段下に隠れている事しかできなかった。戦略自衛隊による初号機パイロット射殺の危機が迫る中、ミサトは発令所を離れ、シンジの救出に向かう。間一髪の所で、シンジを救い出したミサトは、エヴァ初号機のケイジへとシンジを連れて行く。使徒は人間の形を捨てたもう一つの可能性で、私たち人間も18番目の使徒だったと全ての秘密を打ち明けるミサト。一方でアスカの乗った弐号機が再生を果たす。母の魂がエヴァに宿っていたことを知ったアスカ。次々と打ち破られていく戦略自衛隊。そこへゼーレの開発したエヴァシリーズが舞い降りる。アスカの復活を聞いたミサトは、シンジをエヴァ初号機ケイジへと連れて行くが、戦略自衛隊の待ち伏せに遭い、腹部に銃弾を食らう。

 人を傷つけてまでエヴァに乗りたくないと言うシンジに対し、全ての思いを託すミサト。最後に大人のキスを交わし、シンジをエレベーターに乗せる。その後ミサトは加持の名を呼び、力尽きたのだった。

 地上では惣流.アスカ.ラングレーが、ゼーレより派遣されたエヴァシリーズ13体と壮絶な戦いを繰り広げていた。次々と倒されるエヴァシリーズだったが、ロンギヌスの槍がアスカの乗る弐号機の頭部を貫いたのを合図に、次々と蘇り、弐号機を陵辱。内部電源は既に切れ、エヴァ弐号機は動かない。憎悪を滲ませて最後の力を振り絞ろうとしたアスカだったが、起動したエヴァ初号機が地上に出た時には、既に弐号機は無惨な残骸と化していた。


完結編は夏に延期。幻のシーンも。

 第25話のAirですが、ゼーレと日本国政府麾下の戦略自衛隊によるネルフ本部の直接占拠作戦からアスカ復活、そしてエヴァシリーズが舞い降りるシーンまでは、97年春の「シト新生 DEATH & REBIRTH」のREBIRTHの方で一旦上映され、スケジュールが間に合わなかったので、夏までお楽しみが延びたという事情があります。REBIRTHの最後では高橋洋子の「魂のルフラン」がこれまた神懸かり的に絶妙なタイミングで流れ出して、もう当時は劇場で慟哭して、最後のスタッフロールまで食い入るようにスクリーンを見つめていました。もうあのエンドロールは音楽とピッタリ合っていて最高だった。

 残念ながら、「魂のルフラン」のエンドロールは、デジタルリマスター版DVDにはなぜか収録されていなくて、旧DVDの「新世紀エヴァンゲリオン劇場版シト新生」でしか拝めません。しかもそのDVDは現在絶版状態です。もしシト新生公開の時点で完結編が間に合っていたとしたら、第25話「Air」と第26話「まごころを君に」は幻のタイトルになってたんでしょうかね。うーん、気になるところです。

 こうして今から振り返ると、映画館の大スクリーンで観たわけですから、やはり当時は興奮したのですが、10万円のノートPCの15インチディスプレイで更に画面が綺麗になるよう標準サイズで観ると、ちょっと物足りないです。これを機会にテレビとホームシアターセット買おうかなぁ。今84年製の古い14型テレビが部屋にあるんですが、NHKとテレビ大阪(テレビ東京系列)が映りません(涙)。2011年のデジタル放送元年には完全に使い物にならなくなりますが、最近テレビほとんど観ないのでデジタルテレビに買い換える意欲が湧かないんですよね。インターネットやり出してからテレビを観る時間が極端に減りました。最近は新劇場版公開でまたエヴァ熱が再発してるので、テレビやDVDレコーダーやホームシアターセットなどに対する物欲が沸々と湧いてますよ。新ヱヴァのせいで97年−00年当時の嗜好状態に戻ってきてます。

 なんかノートPCでデジタルリマスター版DVD観ても、デジタルリマスターと5.1chサラウンドのすごみが全然引き出されてないんじゃないかとも思いますが、ノートPCでも通常版とデジタルリマスター版の違いはよく分かるくらい綺麗に映りますよ、多分。


全ての謎が解き明かされる劇場版Air

 アスカ復活ですが、曲名にもあるように、偽りの再生です。アスカと戦略自衛隊との戦闘シーンもさることながら、エヴァシリーズとの戦闘も血湧き肉躍るもので、一応ロボットアニメだけれどプロレスに近い肉弾戦の動きをします。

 やっぱり劇場版だけあって全編に渡り、絵が綺麗です。冬月副司令の顎のそり具合も乗りに乗ってます。冬月はエヴァの語り部の役割ですね。興奮のMAGIハッキングシーンも再び返り咲いています。ミサトさんのシーンがねえ、もう涙ポロポロで。DVD買ったときはこのシーンだけ繰り返し見てました。セリフと音楽がまた絶妙なコンビネーションなんですよね。

 映画館で見たときは、あ〜そうか〜、そう来るか〜凄く根入れてやってるな〜と1シーン1シーンに感動しながら鑑賞。特に火炎放射器で攻撃されるネルフ職員の女性の悲鳴が必要以上に残酷というか、ここまで描く必要あるのかなぁってくらいで、先日廉価版のDVDで見たら、その悲鳴の音がかなり低くなってました。やっぱり無駄に残酷なので修正加えたんでしょうか。でも体験したことないのに戦争の残酷さを思い起こさせてくれるシーンです。結局ネルフ職員は全員死んでしまったのか???フィルムでは、ジオフロントが上昇するときは、冬月と3人のオペレーター以外は血を流して倒れてます。防護シールドを盾に銃撃戦を繰り広げていた戦略自衛隊もいつの間にいなくなっちゃったんだろう、という細かなところをDVDで見直してみて、新たに気づいたり。これは映画の中のご都合主義でしょうね。

 初見したときはよく分からない箇所も幾つもありました。ゼーレは一体何をしようとしていたのとか、あの13体の量産型エヴァが人類補完計画の遂行に具体的にどういう役割を果たしていたのかとか、ゼーレと碇司令のそれぞれの人類補完計画の意図とか、繰り返し見ていく内に謎がほぐれていったのですが、未だにロンギヌスの槍が補完計画で持つ意味合いとか、巨大化した綾波レイは一体何をしようとしていたのかとか、碇司令はどうなったのかとか、補完計画が未完で終わった後の世界に、みんなは戻ってきたのかとかは曖昧で、結局謎の部分を多く残して劇場版の映画は終わってしまいました。

 また研究本を紐解いたりしてそれ以上詳しく調べることもなく、自分自身の中で納得していたので、アレはアレでまあ良かったのかなと。自分としてはストーリーの謎解きや、背景に使用された衒学趣味の設定も大切だけれど、やっぱり心の問題、人と人とのコミュニケーションの問題をエヴァが取り扱っていることの方がそれ以上に大切だったので、あの終わり方でとりあえずは完結を見た感じです。

 当時劇場に見に行ったときは、映画終わっても客席離れずに2回くらい繰り返してみたかなぁ。あの興奮状態で映画館から出るのが嫌だったんでしょうね。もっとこの余韻を味わっていたい、みたいな。尻を席から浮かすのがもどかしかったですよ。他の観客ももう一度観る為に座ってるままの人がちらほらいたような記憶があります。やっぱり大画面で見るエヴァは圧巻です。今年の新劇場版の映画も今から楽しみでワクワクしてるのですが、旧劇場版は16mmを映画の32mmに引き伸ばしたという話を聞いたので、クオリティが更に高くなってるんでしょうね。

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NEON GENESIS EVANGELION 劇場版
出演:緒方恵美、三石琴乃、林原めぐみ、宮村優子
監督:庵野秀明
形式:Color, Dolby
言語:日本語
リージョンコード:リージョン2
販売元:キングレコード
発売日:2003/11/27
時間:163 分

THE END OF EVANGELION サウンドトラック

第25話でもエヴァ演出の定番となったクラシック曲(Air)がアスカの乗る弐号機とエヴァシリーズとの戦闘シーンで使われている。97年公開の総集編と続編映画「シト新生」の予告編でもクラシック曲が使用された。07年公開の新劇場版では、果たしてクラシック曲は使われるのだろうか。関係者のインタビューによると、市川痕の映画に使用された明朝体など、旧エヴァの特色となっていた演出は全て放棄されるそうだ。

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