オープニングの映像に1カットだけ出てきますが、ラスト2話を前にようやくカヲル君が登場です。かなり短い出番なのでもっとシンジとのやりとりを見てみたいとも思いますが、貞本版エヴァの方で2巻分堪能できます。でもあっちのカヲル君はちょっと飄々としていて知ったかぶり噛ましていて、アニメ版の何もかも知り尽くしている妖しげでありながら魅力的な少年のイメージとちょっとずれてます。
カヲル君とシンジ君が一緒にお風呂に入っていて手を重ねてきたり、カヲル君の言葉一つ一つにシンジ君の顔が赤くなったり、大人びた同性に惹かれるのは、この年頃の男子には良くあることかもしれませんね。
カヲルがターミナルドグマへと侵入を試みる瞬間にベートーベンの歓喜の歌が流れ出しますが、おそらくエヴァンゲリオンの中で一番の名シーンでしょう。ヘブンズドアが開いた後にエヴァ初号機と弐号機が格闘を始めて間もない頃に、衝撃があって、シンジ君が何だ?と上を見るシーン。新たなATフィールドが発生して、下から舐めるようなカメラワークで綾波の姿が。緊迫感と興奮を誘うシーンです。この時のカメラのブレた動きもいいですね。
NEON GENESIS EVANGELION vol.07
出演:緒方恵美、三石琴乃、林原めぐみ、宮村優子
監督:庵野秀明
形式:Color, Dolby
言語:日本語
リージョンコード:リージョン2
販売元:キングレコード
発売日:2003/10/22
時間:100 分
シ者は一つに繋げると、渚となる。また、カヲルをアイウエオの50音順で一字前に変換すると「お・わ・り」となる。また、サブタイトルも、アイキャッチの直前に入り趣向を変えているが、前作のナディアでもこの趣向替えは一度使われている。カオルではなく、カヲルと表記していることに、こだわりが見え隠れする。ちなみに07年新劇場版のタイトル表記は、ヱヴァンゲリヲン。
シナリオ段階では、カヲルを殺した後に、ゼーレ、冬月と碇、ミサトのセリフがそれぞれ入っている。「約束の時は来た」「時は満ちたな」「ああ、全ては終わり、これから始まるのだ」「あとに残った私の敵は ――このエヴァンゲリオンだけね」緊迫感を誘う三者三様のセリフだが、放送時は全てカットされた。